無人店舗のメリットやデメリットとは?成功のポイントと活用できるデジタルマーケティングも解説

齊藤 一樹

著者:

知ってもらう

無人店舗の運営のメリット・デメリット/成功する秘訣と 活用すべき施策も徹底解説

無人店舗は人がいないため、人件費を削減し24時間運営できるなどのメリットが目立ちます。

一方で、「盗難対策はどうするのか」「トラブル対応はどうすればよいのか」などの懸念点となるデメリットも存在します。

本記事では、無人店舗を運営する上でのメリットとデメリットについて言及するため、これから無人店舗を営業したいと考えている方は参考にしてみてください。

無人店舗の概要

無人の販売店は、その名の通りスタッフが不要で稼働する店のことを示しています。

具体的な事例として、自動販売式の餃子店が存在します。

仕組みは至極簡単で、冷蔵庫から商品を選び、料金箱に代金を投入するだけのものです。

セキュリティの面では、窃盗などのリスクもあるものの、多くの無人店は監視カメラの設置や会員のみが利用できるような制度を導入しており、安全対策が施されています。

新型コロナの影響で、直接的な買い物に対する不安が高まる中、このような無人店の数は増加の傾向にあります。食品のみならず、化粧品や不動産情報提供などの店舗も増えており、正しい管理方法を確立すれば様々な商品やサービスが取り扱えるでしょう。

急速に拡大している店舗数は、全体の市場規模へも寄与していて、無人店舗関連の市場は約2兆円とも推計されています。フランチャイズの募集を開始している会社も増えてきており、今が参入の好機と言えるかもしれません。

無人店舗のメリット

無人店舗を運営するメリットは以下の通りです。

  • 人件費を削減し固定費を抑えられる
  • 24時間営業できるので機会損失を失くせる
  • 事前予約制で顧客データを取れる
  • 業務効率化に繋がる
  • 会話せず商品を購入・サービスを受けたいニーズを満たせる

無人店舗であることは、店舗側のメリットだけではなく顧客のニーズを満たせるため、相互にメリットのある運営ができます。

人件費を削減し固定費を抑えられる

無人店舗は、文字どおりスタッフが不在の店舗であるため人的コストが基本的に発生しません。

従って、通常は複数の従業員が必要な商品・サービスも、無人店舗を採用すれば経費を削減し、利益を増やすことができます。

正社員を雇用する場合、給料に加えて企業が負担する社会保険料が発生します。そのため、正社員の数が増えるとそのコストも増大します。

アルバイトスタッフに関しても、時給の支出があるため、働く人数が多いと経費が増加します。

一方で、無人店舗は商品を展示し、指示通りに支払いを受け取れば購入が完了するため、自動的に商品が購入されるシステムを構築することが大きなメリットとなっています。

24時間営業できるので機会損失を失くせる

無人店舗は人手が不要なため、24時間体制での運営が実現可能です。

24時間営業により、競合他店が閉店している時間帯でも取引ができ、他の店舗のお客様を取り込むチャンスが生まれます。

たとえば、デザートを販売する無人店舗を例として、深夜にデザートを求める顧客が、通常の店舗が閉店しているために無人の販売スポットを利用するニーズがあります。

これは既存の無人販売の形態ではあるものの、コンビニでは手に入らない種類のアイテムを取り扱うことで、特別なデザートを随時購入できることに魅力あります。

従来、定められた営業時間を持つ店舗やサービスでも、無人店舗の特性を活かすことで提供可能になるのは大きなメリットです。

経費の面では、主に水道や電気、家賃などの固定費だけを考慮すればよいため、コストを低く抑えることができます。

しかし、特別な冷蔵設備や高性能な機器を導入する場合、電気料金が上昇するリスクもあるので、事前の計画と検討が重要です。

事前予約制で顧客データを収集できる

事前の会員登録とバーコードのスキャンを利用して商品を購入する無人店舗が存在します。

セキュリティ面の信頼性はもちろん、来店する顧客の情報を収集できるため、訪問者の年齢や性別を基に商品の配置を最適化することができます。

会員登録制度を導入することで入店の頻度はやや減少するかもしれませんが、顧客データの取得を通じて、ただの来店者から購入者へと変わる確率を高めることができます。このため、経営の効率化に貢献します。

例えば、昼間は20代の女性の来店が多く、深夜は30代の男性の訪問が増えるといったデータを元に、商品の配置を時間帯ごとに調整することで、売上の向上が期待できる点が大きな利点となります。

業務効率化に繋がる

無人店舗は、人を介さずシンプルなマニュアルで営業される傾向にあるため、商品の準備やサービスの準備さえできていれば自動で売上が上がっていく仕組みです。

小売り系の無人店舗の場合、商品の補充と店舗の清掃のみで接客が不要であるため、大勢が整えられていたら手放しで済みます。

また、前述にある通り入店したいために会員登録してもらうことで、自動的に顧客データが蓄積されるのでマーケティング戦略にも活かせます。

2号店、3号店の開業にも繋がるため、データ取得の自動化はかなりのメリットです。

会話せず商品を購入・サービスを受けたいニーズを満たせる

新型コロナウイルスの流行から、接触を避けて商品を購入したい、サービスを利用したいという需要が増えているため無人店舗はその顧客のニーズを満たせます。

有人店舗の場合、パーティションが合っても人と接する必要があるため、懸念を抱く顧客も少なからずいます。

そのため、無人であること自体がニーズに沿っているため、顧客からメリットにもなるのです。

無人店舗のデメリット

設備投資など初期費用が高くなる

無人店舗では、設置する機械や決済システムなどの初期投資が高価であることが欠点として考えられます。

さらに、単に機器のコストだけでなく、商品の企画や物件の調査といった出店に関する初期費用もかさむ点が潜在的な課題です。

大手企業が背景にある場合、無人店舗をテストとして運営するのは実現可能かもしれませんが、融資を利用して独立して無人店舗を始める方には、高い初期投資は大きなリスクとなり得ます。

これらの欠点を克服するための一つの方法として、初期投資を節約する目的で、各機器をリース契約することが考えられます。事業運営においてはキャッシュフローが重要なため、初期の大きな出費をできるだけ少なくする努力が求められます。

対策が出来ていないと盗難の恐れがある

無人店舗の運営に際して、一つの大きな懸念点として「盗難」が考えられます。

常時、人が店内にいない環境は適切な防犯対策ができてないと盗難のリスクが高まります。

セキュリティ機器は一定のコストがかかりますが、無人店舗運営においてはこれが不可欠ですので、この点の投資は怠ってはなりません。

監視カメラや防犯センサーの設置も有効ですが、先に触れたような、会員制度を活用してバーコード認証での入店を導入すると、安全に商品を販売するとともに、顧客情報の収集も可能です。

ただし、セキュリティ対策だけでなく、これらの措置をビジネスの成長にも役立てる視点で考えることが重要です。

セキュリティ対策をあからさまにしすぎると、不快感を与えてしまう可能性があるので注意しましょう。

トラブル時に対応が遅れる

常時スタッフが店舗にいないので、何らかのトラブルが発生した際の即時対応が難しいです。

たとえば、クレジットカード決済中にエラーが生じた場合、顧客は不安を感じてしまいます。

その時点での決済が正常に完了しているのか、二重決済のリスクはないのかといった問題について、スタッフが近くにいれば直接確認できるわけではありません。

さらに、その後の顧客も決済のトラブルで商品を購入できなくなると、それが店舗の売上にも影響を与えることになります。

そこで考えられる解決策として、スタッフを店舗に配置する代わりにオンラインでの対応窓口を設けることが挙げられます。

スタッフを店舗に置くことなく、外部サポートも含めて24時間体制で対応可能な環境を整え、決済サービスの問題などが迅速に解決できるようにすることが重要です。

システムを理解できないお客様には利用いただけない

システムが複雑で、入店時点で難しいと感じるお客様には利用いただけません。

セキュリティやデータ収集を考え、会員登録を条件とすると高齢の方などITリテラシーが乏しい方から嫌煙されてしまう可能性があります。

エリアマーケティングの観点で、シニア世代が多い場合はシステムを難しくし過ぎず利用しやすさにこだわった方が良いです。

データ収集については、定期的にお店を訪れてリサーチをして検証することもできるため、無理をして使い勝手を下げてしまうことは避けましょう。

無人店舗を成功させるためのポイント

無人店舗を成功させるためのポイントとして、以下が挙げられます。

  • FC加盟をしてブランド育成の手間を省く
  • 事前リサーチを徹底的に行い損失リスクを避ける
  • 経営計画を無理のない数字で計算し黒字化までのロードマップを引く

無人店舗を運営する場合、成功するための道筋は様々ですが以下で紹介することを意識すると、成功に近付けられます。

FC加盟をしてブランド育成の手間を省く

FC(フランチャイズ)に加盟することによって、ブランド育成の手間を省き売上が発生するまでの時間を短縮すると、一定の成果を早期に得られます。

フランチャイズに加盟することにより、人気店舗の看板を借りて営業ができるため、「あの○○ができる」と評判になる集客が望めます。

一方で加盟金が発生し、毎月のロイヤリティが発生するため、フランチャイズ本部が提示するモデルケースを確認し本当に実現できるのかの検証が必要です。

事前リサーチを徹底的に行い損失リスクを避ける

無人店舗を運営する場合、何も考えずに商品への自信だけで出店してしまうと、大きな損失を生む可能性があります。

出店予定地のリサーチと競合商品の出店状況、商品のクオリティの確認など事前に行うべきことが多くあります。

リサーチをして、リスクを可能な限り抑えてから出店することで、売上が見込めるかつ投資金額の回収までの期間を早められます。

リサーチをしたとしても、近隣に商業施設や人気チェーン店のオープンなど外的要因も想定されるため、様々な懸念も想定しておくことも重要です。

経営計画を無理のない数字で計算し黒字化までのロードマップを引く

経営計画は現実的な数字で算出し、実現可能なロードマップを引くことが重要です。

「これくらいは達成できるだろう」と高望みをしてしまい、商品の製造発注をしてしまうと損失を生む可能性があります。

経営計画は少し低めくらいに設定し、目標達成の計画も細分化して細かいゴールを決めることが必要です。

一方で、融資を受ける場合は低すぎる目標であると、融資が下りない可能性があるためコンサルタントなどの第三者に相談し経営計画を練りましょう。

無人店舗経営において売上アップにつなげるデジタルマーケティング手法

無人店舗を経営する上で、以下のデジタルマーケティング手法が活用できます。

  • MEO
  • インターネット広告
  • SEO対策
  • SNS運用

無人店舗運営をする上で、よりメリットを活かせるようにマーケティング手法を活用し、売り上げ拡大に活用してください。

MEO

GoogleMapで検索した時の(株)ポストメディアのキャプチャ

※当社をGoogleMapで検索した時のキャプチャ

MEOは「Map Engine Optimaization」の略称であり、Googleマップを始めとする地図アプリで上位に自社サービスの情報を表示するための手法です。

商圏が限られている小売店や、エステサロンなどにオススメの手法であり、上位に表示されることで来店の可能性を上げられます。

例えば、対策されることにより無人店舗の脱毛サロンを運営していたとして、近くの脱毛サロンという検索で表示されます。

MEOの施策は、口コミを書いてもらえる量を増やし評判を上げることが良いとされているため、口コミを得にくい無人店舗の場合、キャンペーン等を定期的に打ち出し気分よく商品の購入やサービスを利用してもらえる環境づくりが重要です。

MITE-KURUlご紹介

MITE-KURUの画像

位置情報広告の「MITE-KURU」はスマートフォンの位置情報データより、ターゲットをセグメントと抽出をしてターゲットに向けてピンポイントで広告配信が可能なサービスです。

位置情報広告はジオターゲティングとも呼ばれますが、従来は効果測定が難しいケースがありました。

一方、MITE-KURUの場合は広告経由で来店につながったかどうかも可視化できるため、広告の成果が正しくでているのかも一目でわかります。

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インターネット広告

インターネット広告は、各媒体で広告分やバナー画像(各ページで表示される画像型の広告)を設定し広告を配信します。

簡単に設定し、初心者でも始めやすいインターネット広告の例として、以下を紹介します。

  • リスティング広告
  • SNS広告
  • 動画広告

広告は、入札方式があり一般的に広告費をかけるほど、成果が出るという仕組みです。

一方で、商圏が地方になれば入札の上限金額が下がる傾向にあるので、広告費を多く支払わなくても効果が出る可能性があります。

リスティング広告

リスティング広告は、検索エンジンで調べた時に表示される広告を指します。

検索結果の上部や下部に表示される、広告のテキストが入った文章です。

検索エンジンとしては、代表的なGoogleやYahoo!、Bingなどに広告が表示されます。GoogleやYahoo!は、広告媒体があり提携する検索サービスにも同時に広告を配信が可能です。

入札方式としては、主にクリック単価で決まり1日当たりにかける費用が高いサービスほど、1ページ目の上位になりやすい仕組みとなっています。

1ページ目の上位に入ることにより、視認性があがるのでクリックされやすく来店に起因しやすいです。

注意点として、費用だけではなく広告の質も関与しているため、一概に費用をかけるだけでは成果はでないため広告の品質を上げられるようにしましょう。

SNS広告

SNS広告は、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)、LINEなどのSNS上で表示される広告のことを指します。

これらのSNS広告は、ユーザーの興味や関心に合わせて配信されるため、高い効果が期待できます。

例として、あるユーザーがリラクゼーション関連のコンテンツを頻繁に閲覧しているとします。

そのようなユーザーに、アロマサービスの無人店舗の広告を提示することで、直接的な来店のきっかけを作ることができます。

ターゲットを絞り込むためには、ユーザーの興味や性別などの情報を活用し、適切な広告を配信します。

魅力的な画像や内容を伴う広告を使用して、ユーザーの関心を引き付け、広告へのクリックを促進します。

広告の課金形態には、クリック課金やインプレッション課金などがあり、インプレッション課金は表示回数に基づく課金方式で、クリックの有無に関わらず料金が発生します。

このため、クリックの数によってはコストが高くなることもあります。

動画広告

動画広告は、YouTubeや各種SNSで展開される動画ベースの広告を指します。

これにより、無人店舗の特色やサービス内容を視覚的に伝えることが可能となります。

動画を用いることで、店内の様子や支払いのデモンストレーションなど、静止画では伝えきれない情報を効果的にシェアできます。

ただし、配信先のプラットフォームごとに動画の長さ、サイズ、形式などの制限があるため、適切に調整することが求められます。

さらに、各プラットフォームのユーザー属性が異なるため、一つの動画が全ての媒体で同様の効果をもたらすわけではありません。このため、異なる動画を用意し、それぞれの効果を検証することが重要です。

SEO対策

検索順位クリック率(CTR)
113.94%
27.52%
34.68%
43.91%
52.98%
62.42%
72.06%
81.78%
91.46%
101.32%

引用:2021 CTR Research Study(seoClarity)

SEO対策は「Search Engine Optimization」の略称であり、検索エンジン最適化と訳されます。

検索結果で上位に表示されることにより、自社の情報が上位にくるためサイト経由の来店を見込めることがメリットです。

上表の通り、上位に表示されるほどクリックされる可能性が上がるため、無人店舗の来客増加に繋げましょう。

施策として、ホームページ自体を検索上位にする内部SEO、記事を書き上位に上げて流入を増やすコンテンツSEOなどがあります。

SNS運用

無人店舗の集客として、SNS運用は必須ともいえる施策です。

X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどを駆使することにより、店舗の特徴を発信して地域住民からの認知を上げられます。

無人店舗であるため、基本的には店舗スタッフと交流は取れませんが、SNSを利用することにより評判も見えるためアカウントの開設をしましょう。

メンテナンス情報なども発信できるため、リアルタイムで顧客に伝達できることもメリットとして上げられます。

無人店舗のメリットだけではなくデメリットも理解して運営しよう

無人店舗は無人であるため、人件費を大幅に削減し業務効率も高いことを紹介しました。

一方で、無人店舗は盗難リスクやトラブル対応が遅れてしまうなどのデメリットがあります。

デメリットを解消するために、セキュリティ対策やオンライン接客の導入で、顧客の不安を取り除く必要があります。

無人店舗のメリットだけではなく、デメリットも理解した上で運営をしましょう。

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著者:齊藤 一樹 著者の記事を読む

マーケティングプロデューサー/ SEO対策や広告支援、サイト改善施策サービスを提供。 コンテンツマーケティングに強みを持ち、累計8,000記事の作成実績あり。 企業のWebマーケティングの内製化支援も行っている。

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