越境ECにSNSを活かすには?活用のメリットと運用戦略

カワノ

著者:

知ってもらう

越境ECにSNSを活かすには?活用のメリットと運用戦略

越境ECにおいて、現地の消費者とつながる手段として、SNSの活用が注目を集めています。

言語や文化の壁を越えて認知を広げ、商品やブランドの魅力を伝えるには、SNSが非常に有効です。

特に、初めて海外市場に挑戦する事業者にとっては、SNSが信頼のきっかけづくりにもつながります。

本記事では、越境ECでSNSを活用するメリットや成功させるコツを紹介します。

越境ECにおけるSNS活用のメリット

スマホを持っている手

SNSは、単なる情報発信ツールではなく、マーケティングやブランディング、販売促進を一体化できる強力なチャネルです。

ここでは、越境ECにおいてSNSを活用することで得られる主な3つのメリットについて解説します。

  • 商品・ブランドの認知拡大に効果的
  • ユーザーとの信頼関係を構築
  • SNS上で購買行動につなげやすい

商品・ブランドの認知拡大に効果的

SNSは、越境ECにおける認知拡大の手段として効果的です。

特にInstagramやTikTokのような視覚的に訴求できるプラットフォームは、商品やブランドの魅力を短時間で多くのユーザーに届けることに長けています。

ハッシュタグやリール、シェア機能などを活用することで、広告費を抑えながらも拡散力を持たせることが可能です。

また、SNS広告を使えば、地域や興味・関心に基づいたターゲティングも容易に。

日本国内ではあまり知られていない商品でも、海外ユーザーのニーズに合致していれば短期間で多くのフォロワーやファンを獲得できるチャンスがあります。

SNSは、現地で知名度のないブランドが、まず第一歩として存在を知ってもらうための有効なツールです。

ユーザーとの信頼関係を構築

越境ECでは、実店舗が存在しないことから課題になりやすいのが「信頼性」。SNSは、その壁を乗り越える手段として有効です。

ユーザーとの双方向コミュニケーションや実際の使用シーンの発信などにより、ブランドの透明性や親しみやすさを伝えることができます。

たとえば、ユーザーからのコメントに丁寧に返信したり、Q&Aをストーリーズで共有したりして、企業としての誠実さをアピールすることも可能です。

また、現地ユーザーのレビューやUGC(ユーザー生成コンテンツ)を再投稿すれば、リアルな使用感や口コミを広げ、新規ユーザーの信頼獲得にもつながります。

SNSは、ブランドとユーザーの間に自然な関係性を築く上で欠かせない存在と言えるでしょう。

SNS上で購買行動につなげやすい

SNSは認知や交流だけでなく、購買行動を直接促進できる点も大きな魅力です。

InstagramショッピングやFacebookショップのように、投稿やストーリーズから商品ページへ直接リンクを設置できる機能を使えば、ユーザーが「いいな」と感じた瞬間にそのまま購入へとつなげられます

また、TikTokやYouTubeショートでは、短尺動画を通じて商品の使い方や魅力を視覚的に伝えることで、購買意欲を刺激することも可能。

さらに、プラットフォーム内でのキャンペーンやクーポン配布を組み合わせることで、行動を喚起しやすくなります。

SNS上で完結する購買動線を整えることは、越境ECの売上を大きく伸ばすカギとなります。

【国別】買い物に使われる主要SNSプラットフォーム

地図の画像

出典:越境ECは「SNS」で差がつく!話題のソーシャルコマースを解説

越境ECを成功させるためには、ターゲット市場でよく使われているSNSを把握することが重要です。

ユーザーの利用習慣や文化によって、好まれるプラットフォームや購買動線も異なります。効果的なアプローチを取れるよう、国ごとの傾向を理解しておきましょう。

今回は、マルチチャネル決済プラットフォーム「KOMOJU」が公開した記事を参考に、日本、アメリカ、中国、韓国、シンガポール5ヵ国の買い物に使われる主要SNSプラットフォームの傾向を見ていきます。

日本

日本では、LINEとInstagramが特に高い人気を誇っています。

LINEの月間アクティブユーザーは9,800万人(2025年3月時点)と、国内ほぼ全世代に浸透。LINE公式アカウントを活用すれば、商品情報やクーポンの配信や、チャットでの問い合わせに対応も可能です。

一方、 Instagramはビジュアル訴求に強く、ブランドの世界観や使用イメージを伝えるのに最適なプラットフォームです。ストーリーズやリール機能を使った動画投稿との相性もよく、購買動線につなげやすいのが魅力。

X(旧Twitter)やYouTubeも利用者が多く、キャンペーン告知や商品レビュー動画の拡散に効果的です。

目的に応じて複数のSNSを併用するのが、日本市場での成功のポイントと言えるでしょう。

アメリカ

アメリカでは、TikTokやFacebook、Instagram、YouTubeといった世界的SNSが主要なソーシャルコマースの場です。

特にFacebookは購買への影響力が強く、ユーザーの半数近くがブランドをフォローしたり、SNS上で商品を検索したりしています。

2024年には、アメリカの消費者のうち1億70万人がSNS経由で買い物をしたというデータもあり、SNSが購買行動に密接に結びついていることがわかります。

また、TikTokは若年層を中心に人気で、短尺動画による商品紹介やインフルエンサーとのコラボ投稿が購買につながりやすい傾向に。

Instagramもビジュアル重視の訴求に向いており、ショッピング機能との組み合わせで直接販売が可能です。

中国

中国のSNS市場は独自色が強く、国内プラットフォームが圧倒的な存在感を持っています。

代表的なのは、13億8500万人のユーザーを抱える「WeChat」。チャットアプリでありながら、決済やEC、予約機能など多機能で生活インフラの一部となっています。

「抖音(TikTok中国版)」は動画ベースのSNSで、ライブ配信を活用した商品紹介や販売が盛んです。

さらに、「小紅書」は口コミ型のSNSで、レビュー投稿からECモール機能への動線がスムーズに設計されています。

これらのSNSは、それぞれにミニプログラムやショッピング機能が搭載されており、プラットフォーム内での購買が完結する点が特徴です。

中国市場に参入するなら、SNSが販売チャネルそのものであるという前提で戦略を練る必要があるでしょう。

韓国

韓国はSNS活用が活発で、消費者がSNS上のマーケティングに反応しやすい国です。

主要なSNSとしては、Instagram(48.6%のアクティブ率)、Facebook、BAND、KakaoStoryなどがあります。

特にInstagramは若年層を中心に広く利用されており、ビジュアルによるブランド訴求や動画投稿による使い方紹介などが効果的です。

また、BANDやKakaoStoryなどの国産SNSも、特定の年代層や趣味コミュニティに強く根ざしており、ローカルな文化にマッチしたコンテンツづくりが求められます。

さらに、韓国のユーザーは広告よりも「誰が紹介しているか」を重視する傾向が強いため、ローカルインフルエンサーとの協業も積極的に検討するといいでしょう。

シンガポール

デジタル化が進むシンガポールでは、ソーシャルコマースの成長が非常に速く、2023年の調査では年成長率が52.3%と報告されています。

主要なSNSはFacebook(532万人)、 Instagram(328万人)で、ビジュアルコンテンツやキャンペーン配信が購買につながりやすいのが特徴です。

また、EコマースプラットフォームのShopeeやLazadaも活用されており、SNSからの誘導によって購買を促す動線が一般的。ライブ配信やフォロー機能が充実しており、リアルタイムでの販売やプロモーションが可能です。

さらに、WhatsAppもビジネス活用が進んでおり、顧客対応や商品通知、クーポン配布などに使われています。

SNS活用によって越境ECを成功させるコツ

電車の中でスマホを持っている手

SNSを使って越境ECを成功させるには、戦略的な活用が欠かせません。

効果的に現地ユーザーにリーチして購買につなげるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • プラットフォームに適したコンテンツ戦略をする
  • 現地の言語と文化に合わせた投稿を行う
  • インフルエンサーと協業する

プラットフォームに適したコンテンツ戦略をする

各SNS媒体の紹介

出典:越境ECは「SNS」で差がつく!話題のソーシャルコマースを解説

越境ECを成功させるには、SNSごとに最適なコンテンツを使い分けることが大切です。

SNSによって利用者層や投稿フォーマットに違いがあり、同じ内容でも効果に大きな差が出ます。

たとえば、Instagramでは視覚的に魅力的な画像や動画が好まれるため、商品の美しさや世界観を重視した投稿が効果的です。

一方、TikTokでは自然なストーリー性のある動画が支持される傾向に。Xは、速報性を活かして、セール情報やキャンペーンをこまめに配信するのに向いています。

このように、SNSの特性に合わせたコンテンツ戦略を立てることで、投稿の反応率や購買への動線が格段に高まります。

現地の言語と文化に合わせた投稿を行う

越境ECにおけるSNS活用では、現地の言語や文化に配慮した投稿が不可欠です。

翻訳が不自然だったり、文化にそぐわない内容だったりすると、ユーザーに違和感や不信感を与えてしまうことも。

たとえば、宗教上の理由でNGとされている食材を使用した料理の投稿や、現地の祝日を無視したセール告知などは、逆効果になりかねません。

一方で、現地の祝日に合わせた限定キャンペーンや、流行語を使った投稿などは、ユーザーとの距離を縮めるきっかけになります。

現地の言語と文化に合わせた投稿は、ブランドへの信頼感を高め、親しみやすさを演出するためにとても重要です。

インフルエンサーと協業する

越境ECでは、現地のインフルエンサーと協業することで効率よく認知拡大が狙えます。

フォロワーと信頼関係を築いているインフルエンサーによるおすすめは、広告よりも信頼されやすいです。

たとえば、美容系商品の越境ECでは、現地の美容系インフルエンサーが使い方や効果を紹介することで、「自分も使ってみたい」と思わせることができます。

現地で信頼されている発信者を通じてブランドを広めることは、認知だけでなく購買にも直結する、非常に有効な施策です。

まとめ

今回は、越境ECを成功に導くSNS活用のポイントについて解説しました。

SNSは単なる集客手段ではなく、現地ユーザーと信頼関係を築くための重要な接点です。

ターゲットに合わせた工夫を重ねながら、積極的に発信を行うことが成果につながります。

また、越境ECでは現地の文化や購買習慣に合った決済方法の選定も重要です。

たとえば、マルチチャネル決済プラットフォーム「KOMOJU」は越境EC運営に役立ちます。

クレジットカード、QRコード決済、銀行振込など、さまざまな国内外決済方法を一括導入することができる決済代行サービスです。(QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標)

SNSで築いた関係性を売上につなげるためにも、自社の商品やブランドに合ったSNS戦略と決済環境を見直してみてください。

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企画・マーケティング担当 SNSで人気のキャラクターのポップアップショップを数多く手掛ける。 ブログ運営歴2年 / Twitterフォロワー数1万人を目指す。

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