Z世代消費行動の本質を知る|志向・特徴をマーケティングに活用しよう
Z世代の厳密な定義はありませんが、1990年代中盤~2010年代序盤に生まれた世代を指します。
ミレニアム世代、Y世代というように生まれた年代の時代背景によって、消費行動や考え方、持っている常識に違いが生じています。
〈この記事を読んでわかる内容〉
- Z世代の消費行動の傾向
- Z世代の情報収集の方法
- Z世代に刺さるマーケティングのコツ
Z世代は今後マーケティングの中心になっていく世代だと考えられますので、Z世代の特徴について考えていきましょう。
目次
Z世代とは
Z世代とは、1990年代中盤~2010年代序盤に生まれた世代であり、2024年には14歳~29歳の世代となります。
生まれた時からインターネットがある世代で、「スマホネイティブ」「ソーシャルネイティブ」「デジタルネイティブ」とも呼ばれています。
SNSが生活に密着しており、InstagramやX(旧Twitter)、TikTokといった複数のサービスを使いこなし情報収集をしています。
このような背景がありますので、自己承認欲求が強く、情報を発信する能力にも長けています。
Z世代の消費行動
Z世代の消費行動には、どのような特徴があるのでしょうか。
他の世代と比較した際に出てくる特徴を確認し、マーケティングのヒントにしていきましょう。
体験重視のコト消費
買い物と言えば商品である物を購入する「モノ消費」をイメージするかもしれませんが、Z世代の消費行動は「コト消費」が特徴です。
コト消費とは、体験や経験に価値を見出す消費活動を指します。
宿泊やアクティビティといった単純な体験だけでなく、カフェで友達と過ごす時間も体験だと考えます。
イベントやコミュニティへの参加といった体験にお金を払うという傾向があり、モノ消費から時代がシフトしていると考えられるでしょう。
自分自身に価値があるか
Z世代は高級ブランドへの憧れが低く、物としての価値よりも、自分自身にとって価値があるかを重視しています。
家族や友人に勧められたものであっても、自分に価値がなければ利用しようとは思わないでしょう。
レンタルやサブスクといった他者との共有で充分だと考えられる物であれば、購入には至りません。
逆に言えば、自身に価値のあるものやサービスを提供すれば出費を惜しみませんので、Z世代のニーズを正しく理解するのが重要です。
コスパ・タイパを重視する
Z世代において、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスは重要です。
不景気で育ったという背景があり、貯蓄や節約に関心のある世代なので、買い物で失敗をしないようにと考える人が多いです。
情報が溢れている世代でもありますので、「できるだけ時間をかけずに満足度を得られるか」という点も大切です。
動画は倍速が当たり前で、いかに効率よく情報収集し処理をしていくかと考えています。
情報収集が上手い
タイパを重視し、生まれた時からインターネットが普及しているデジタルネイティブであるZ世代は、情報収集が上手です。
SNSを日常的に利用していますので、同じ悩みを持つインフルエンサーの投稿や、口コミをチェックしています。
「失敗しないか」というだけでなく、「自分にとって価格以上の価値があるものか」を見極め、購入を検討しています。
社会貢献やSDGs
学校教育でもSDGsでの取り組みについて考える時間があったりと、Z世代はSDGsを身近な問題として捉えています。
環境問題や社会問題は、どこか他人事のように捉えてしまいがちですが、Z世代は自分の将来に関わる問題として向き合っています。
そのため価格が高くなったとしても、消費活動で社会貢献したいという気持ちがあり、商品開発の背景や企業理念も消費行動を促すひとつのポイントとなりつつあります。
多様性を重視している
SNSで常に多くの人と接しているZ世代は、多様性に関しても柔軟な考えを持っています。
さまざまな社会や民族背景、ファッションや性といった個性の違いを認め合う感覚が消費行動にも影響しています。
「自分をどのように表現するか」「どのような人と繋がっていきたいか」というように、消費行動は理想の自分に近づくための手段としてZ世代は考えているのかもしれません。
Z世代の情報収集の特徴
常にスマホを持ち、気になる内容があれば誰もがすぐに検索をする時代です。
そんな中、Z世代の情報収集方法は他の世代と違いがあるのでしょうか。
デジタルネイティブであるZ世代の情報取集の方法について、確認しておきましょう。
Z世代の情報収集の媒体
Z世代へのアンケートで、「あなたは新しく知ったブランドや商品をどのように情報収集しますか」という問いかけをしたところ、以下のような結果になりました。
情報収集方法 | 全体の割合 | |
1位 | 検索エンジンで検索 | 43.3% |
2位 | Instagramで検索 | 31.5% |
3位 | X(旧Twitter)で検索 | 29.3% |
4位 | 動画配信サービスで検索 | 29.0% |
5位 | 通販サイトで検索 | 17.5% |
6位 | 口コミアプリ・サイトで検索 | 15.5% |
7位 | 店頭に行く | 14.5% |
8位 | TikTokで検索 | 9.8% |
9位 | 友達に聞く | 9.5% |
10位 | その他 | 0.5% |
参照:PRTIMES「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」
1位はGoogleなどの検索エンジンで検索をするという答えでしたが、2位以下にSNSでの検索が続きます。
Z世代にとってはSNSはコミュニケーションツールではなく、検索ツールとして活用されているとわかります。
「店頭に行く」「友達に聞く」というよりも、SNSでの検索で情報収集をしている人が圧倒的に多いという結果でした。
Z世代のSNSの使い分け
同調査にてZ世代に「あなたは新しいブランドや商品をどこで知りますか」という問いかけをしたところ、以下のような回答となりました。
使用媒体 | 全体の割合 | |
1位 | 51.1% | |
2位 | X(旧Twitter) | 48.5% |
3位 | 動画配信サービス | 45.0% |
4位 | TV番組・CM | 43.0% |
5位 | 通販サイト | 17.3% |
6位 | TikTok | 17.0% |
7位 | お店 | 13.5% |
8位 | 交通広告・屋外広告 | 9.8% |
9位 | 雑誌 | 8.0% |
10位 | 2.0% |
参照:PRTIMES「Z世代のSNSによる消費行動に関する意識調査」
1位のInstagramは特に女性の利用割合が高く、リアルな利用者の声を検索しているようです。
CMや屋外広告といった平成時代の情報収集とは異なり、スマホを利用したSNSからの情報が大変重要であるとわかります。
Z世代の消費行動の志向
Z世代の消費行動の根底には、このような4つの志向があり「バイヤー型消費」といわれています。
それぞれの志向についてご説明します。
開拓志向
情報量が豊富で、流行が目まぐるしく変わっていくZ世代の消費行動には、開拓志向があります。
情報を待っているだけではなく、自分で情報収集をしに行きます。
トレンドや流行は取り入れていきたいけど、他人と被らないようにしたいという気持ちがあります。
近くの店舗で購入するよりもSNS上の方が選択肢が多いので、ブランドやメーカーが友達と被ってしまう心配がありません。
自分自身に価値のあるものを探したいZ世代は、趣味や好きなものをより深めたいという欲求があるようです。
越境志向
越境とは、本来は国境や境界線を超えることです。
Z世代は、よりよい商品を求めるのであれば、海外サービスも利用しながら買い物をしたいという越境志向があります。
大手ECモールだけでなく、海外の新興ECサイトを利用するという抵抗感が他世代に比べると低いようです。
逆にいうと、日本のブランドを応援したいという気持ちは薄く、良いもの・自分によって価値のあるものであれば購入に踏み切る傾向にあるといえるでしょう。
見極志向
見極志向とは、多くの誤った情報に惑わされずに、信頼できる情報かを見極める力です。
SNSのタイムラインに流れてくる情報を鵜呑みにせずに、信頼できるインフルエンサーの口コミをチェックするなどして、吟味して消費行動に反映させます。
企業が発信する情報も大切ですが、購入に至るかどうかは口コミをチェックしています。
SNSに寄せられるコメントも参考にしながら、自分にとって価値のあるものかを見極めています。
即決志向
自分が良いと思った商品は、直感を信じて即決購入をする即決志向もZ世代の特徴のひとつです。
毎日新しい情報に多く触れる生活なので、即決してしまわないと忘れてしまうのかもしれません。
Z世代はタイパを重視したいという特徴もありますので、時間を無駄にしたくないという意識もあるのでしょう。
逆にいえば、即決できないような商品ではすぐに忘れられてしまい、購入には至らないと考えられます。
Z世代の消費行動を意識したマーケティング
これらの特徴のあるZ世代をターゲットにしてマーケティングをしていくには、どのような点を意識していくといいのでしょうか。
ブランドの存在意義
Z世代はSDGsや社会貢献に関心のある世代ですので、ブランドパーパス(存在意義)を前面に打ち出し、企業理念を伝えていきましょう。
価格が高くなったとしても、Z世代は自らの消費行動によって社会貢献ができるという点を重視しています。
ブランドパーパスへの共感を得て、友人や家族に勧めたいという気持ちにもなります。
「どのように商品が誕生したのか」という製作段階でのストーリーも、Z世代にとっては興味深い内容です。
一時的な商品購入ではなく、長い目でみた時にブランドの価値を維持してくれるポイントとなるでしょう。
情報提供の場を複数設ける
先述した通り、Z世代は複数のSNSを駆使して情報収集をしています。
多くのZ世代にアプローチするのであれば、公式SNSだけでなく、複数のSNSでのチャンネルがあるのが望ましいです。
男女によって情報収集に活用するSNSに違いがありますので、商品やターゲットに合わせて、柔軟にアプローチ方法を考えていきましょう。
パーソナライズされた情報提供
Z世代は、パーソナライズされた情報を受け取るのが当たり前になっています。
ターゲットのはっきりしない広告を見ても心は動かず、自分の趣向に合わせた情報は自然に得られるものだと感じています。
一方で自身の個人情報の管理には敏感になっていて、信頼できる企業でなければ詳しい個人情報を提供したくないと考えています。
企業としては、顧客とダイレクトに繋がれるチャンネルを用意し、信頼を得た上でパーソナライズな情報を提供できるようにしましょう。
体験を提供する
Z世代は、コト消費という特徴がある世代だとお伝えしました。
商品やサービスを購入し、例えばSNSで発信をするというのもひとつの経験となり、消費行動の付加価値だと捉えています。
商品やサービス自体の価値だけでなく、友人と共有する時間や余韻を楽しむ時間も体験のひとつと考えられるでしょう。
SNSではハッシュタグを利用したキャンペーンを企画するなどして、商品購入後の体験の場を提供できないか考えてみましょう。
なぜZ世代の消費行動が重要なのか
Z世代は今後数年で、消費活動の中心となっていく世代になると予想できます。
ライフステージの変化とともに購入する商品は変化していきますが、Z世代が持つマインドは変わらないでしょう。
そのためZ世代の消費行動を知り、マーケティングに活かしていくのが重要となります。
企業としては、Z世代に向けたマーケティング戦略を活用し、時代の変化に合わせた商品開発や販売に力を入れていくべきだといえるでしょう。
Z世代の特徴を理解しよう
Z世代は生まれた時からインターネットがあって当たり前の世代で、他の世代とは感覚が異なる場面もあります。
これから数十年、マーケティングの中心となっていくであろうZ世代に、どう商品やサービスをアピールしていくかが重要です。
社会貢献やSDGs、多様性については、時代の流れとして無視できる内容ではありません。
新しい時代に合わせたブランドの確立、SNSでの情報発信等を取り入れ、企業としての在り方についても考えていきましょう。
弊社ではDECAXの考え方に基づくコンテンツ支援はもとより、企業の周囲を固めるマーケティング支援を実施しております。
自社で抱えているお悩みがございましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
- この記事が気に入ったらいいね!しよう
-
広告・PRなどに関するご相談はこちら!
弊社では「広告活動を通じて、生活者の人生と社会における幸せの総量を最大化する」 というビジョンをもとに、広告・PRに関する様々なご相談を承っております。 お気軽にお問い合わせください!